個人経営の飲食店で必要な売上は?オーナーの年収を計算する方法

飲食店経営
  • 個人経営の飲食店っていくら売上があればいいの?
  • 雇われ店長を辞めてオーナーになりたい
  • 潰れずにやっていけるか心配

飲食店経営を考えている人で、このような悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか?

一説によると、飲食店経営者の平均年収は600万円前後と言われています。

しかし、この数字はあくまでも平均であって、実際には「マイナス~年収2000万円」とかなり幅広いです。

飲食店は「開業1年の廃業率30%、2年で廃業率50%」といわれている厳しい業界です。

そこでこの記事では、以下の2点について解説していきます。

  • 個人経営の飲食店で必要な売上
  • オーナーの年収を計算する方法

事前にしっかりと売上予測を計算して、潰れない飲食店経営を目指していきましょう。

個人経営の飲食店で必要な売上は年1000万円以上

個人で飲食店を経営するなら、年間1000万~2000万円程度の売上が必要です。

なぜなら、個人飲食店の場合は以下の経費が売上の9割程度を占めると言われているからです。

  • 家賃
  • 人件費
  • 食材費
  • 電気ガス光熱費
  • 販促費(宣伝費)

仮に年200万円の利益を出したいと考えた場合、経費が9割とすると以下のような計算となります。

利益200万売上2000万ー経費1800万

年1000万円以上の売上がないと飲食店の運営はかなり厳しい…ということが分かっていただけるかと思います。

とはいっても、実際にはお店の規模・立地・ジャンルなどによって差がでます。

ですから、必ずしも売上1000万円ないと潰れる…と言うわけでもありません。

個人経営の飲食店オーナーの年収はどれくらい?

個人経営の小さなお店を経営する場合、人件費はオーナーの分だけと仮定します。

飲食店の基本的な考え方では、オーナーの年収も含めた人件費は売上の35%以内と言われています。

売上2000万×人件費35%=700万

個人経営で一人で切り盛りする場合は、年間2000万円の売上があればオーナーの年収は700万円は見込めます。

もし一人で切り盛りするのが難しくなった場合、この700万円の中からアルバイト等の人件費をねん出していくことになります。

もちろん売上が低い場合はオーナー年収も下がりますし、使える人件費も少なくなります。

そこで必要なのが、売上予測の計算です。

飲食店の「売上予測」の計算方法

飲食店の場合、1日の売上予測は以下の計算式ではじき出せます。

売上=客単価×席数×回転数

※客単価=1人あたり支払い金額の平均
※席数=経営する店の客席数
※回転数=1日の客席の稼働具合

例えば、客席数20席、1日あたり来客数20人の場合、1回転となります。

飲食店の回転数(稼働率)は平均で65%~70%程度と言われています。

これをもとに、個人経営の飲食店の1日の売上予測を計算してみます。

ランチ営業のみとした場合…

客単価900円×20席×0.7回転=12,600円

1日あたりの売上予測は12,600円となりました。

例えば26日稼働するとすれば、1日12,600円×稼働26日=月327,600円の売上となります。

ランチ営業はどうしても客単価が低くなりますが、街中やオフィス街の近くなら回転率はもう少し見込めるでしょう。

夜も営業する場合

夜営業でアルコールの提供もするのであれば、客単価は3000円~4000円になります。

客単価4000円×20席×0.7回転×26日稼働=1,456,000円

月の売上予測は約145万円となりますね。

昼と夜の売上予測を合計すると…

昼) 327,600円
夜)1,456,000円
ーーーーーーーーーー
合計 1,783,600円

月1,783,600円×12月で、年間にすると約2140万円の売上予測となります。

オーナー1人の個人経営なら、年間売上2140万円×人件費35%=オーナー年収749万円が見込めますね。

ただ、実際には昼夜を一人で切り盛りするのは大変ですから、アルバイトを何人か雇う必要がでてくるでしょう。

オーナ年収から自分以外の人件費を引くと、いくら手元に残るのか?

飲食店開業前にその辺をしっかり計算しておくと、少しは不安が晴れると思います。

飲食店経営の入門としてオススメの本

飲食店経営には料理の知識だけではなく、様々な経営知識が必要となります。

そこで、これから飲食店を営む人へ向けて、飲食店経営の基礎的な知識を学べる書籍を紹介します。

まんがでわかる 絶対成功! ホリエモン式飲食店経営

一般的な経営書は堅苦しい文章で初心者に分かりにくいですが、こちらは漫画で説明することで分かりやすく勉強できるようになっています。

漫画+説明の流れで段階毎に分かりやすくまとまっているので、入門編にはもってこいの一冊です。

脱・どんぶり勘定! これからの飲食店 数字の教科書

もっと本格的な飲食店経営を学びたい場合は、数字関係が学べるこちらの書籍もオススメです。

飲食店の数字を意識する方法が分かりやすく解説してあります。

目標の立て方も数字を使って学べるので、具体的な売上予測なども計算できるようになれます。

銀行の融資を受ける際の「事業計画書」を作成する際にも役立てられます。

もし本格的に飲食店経営を考えているなら読んでおいて損はない1冊です。

まとめ

個人経営の飲食店における売上や、オーナー年収について解説してきました。

  • 個人経営の飲食店で必要な売上=1000万円~2000万円
  • オーナーの年収を計算する方法=売上×人件費35%

安易に独立開業して「こんなはずじゃなかった…」とならないためにも、事前にしっかりと計算しておきたいですね。

飲食店業界は開業1年の廃業率30%と言われています。

飲食店経営の予備知識をしっかりと身に着けていれば、1年目であえなく廃業になることだけは避けられるかもしれませんよ。

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